うしろの正面だーあれ



「小学校のときに流れた噂なんだけどね?
今は立ち入り禁止になってるあそこの裏山、何で立ち入り禁止になったか知ってる?」



ゴクリと唾を飲む音が いくつも重なる。






「あそこでね、殺人事件があったんだって…。」



ガタタッ






突然 立ち上がった数名に、素早くクラスの視線は向けられる。



「ビ…ビビったぁ〜…。」



「やばっ…心臓バクバク言ってるよ…。」



「何何?何で立ち上がったの?」



「…もしかして実話?」



クラスから投げられる言葉に、誰も返せない。






「あ…トイレ…。
行こうと思って…。
ね、朝子ちゃん。」



咲子が言うと、朝子も不自然に何度も頷いた。



広美や すみれも同じく頷く。



「なんだ〜。」



安堵の溜め息をつくクラスの中、憂と沙良は 咲子達をじっと見つめていた。



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