うしろの正面だーあれ



「次もホームルームだろ?
てか、正直 何すんの?」



隆史と波長が合うと感じた憂は、人波から抜け出しては隆史の元へやって来ていた。



もっとも、憂狙いの女子はたくさんいて、人波に憂が居ないことに気付くと すぐに連れ戻されたのだが。



「球技大会、何すっか決める。」



隆史が返すと、憂は興味なさそうに「…へぇ。物知りだな。」とだけ言った。



その言葉に隆史はドキリとするのだが、理由は、今は話せない。



もしも話せば、彼は今、此処に居ないことになってしまう。



そういう約束なのだ。



…おっと。



少し喋り過ぎたようだ。



彼の言うように、次のホームルームは球技大会の種目を決めるものだった。



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