うしろの正面だーあれ
「ねぇ、これタケルに渡して。」
英語の授業中、杏奈が小さなメモを楓に渡す。
「…タケちゃんに?」
「そ。あ た し の 、彼氏に。」
「………………。」
タケルの隣の席である楓は、自分の隣に座るタケルに、不服そうにメモを渡した。
「…何これ。ラブレター?」
「違っ…!杏奈ちゃんから!」
「…ふ、慌てすぎ。」
久々に見たタケルの笑顔に、楓の頬は益々 赤みを帯ていく。
その光景を見た杏奈が声を荒げて言う。
「タケル、1人で!…見てね?」
「コラ〜!ラブラブなのは結構だけど、今は授業中だぞ〜!」
英語教師の言葉に、杏奈は満足そうに「は〜い♪」と答えた。