うしろの正面だーあれ



「ぅ゙…ゲホッ…」



えづきながら、沙良は苦しそうに下を向いた。



「出せ。出した方が楽になる。」



憂が背中を擦りながら優しく囁く。



だが、まだこの手が気持ち悪い。



手はこんなにも冷たいのに、体が熱い。



その上、更に体温の高い憂の手は、沙良の気分を悪くする一方だ。



一度 出しただけでは治まらず、二度三度と苦しそうに えづきながら、沙良はもう考えることすら出来ずに、ひたすら戻すしかなかった。



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