うしろの正面だーあれ
“決着つけろよ”
あの日、俺が沙良に言った言葉。
それを、今度は自分自身に言いきかせる。
静かに目を閉じ、心を落ち着かせる。
二度と揺るがないよう、思いを固める。
憂はゆっくりと目を開け、沙良の手首を掴むと、突然 歩き出した。
訳が解らず、沙良は目を小さくキョロキョロさせ、憂の背中を見るばかり。
…しかし、歩を進めるごとに、憂の意図することに気付いていく。
憂が向かっているのは、彼の家。
悪魔の棲む、邪悪な棲み家。