うしろの正面だーあれ



「さ〜て、そろそろ定位置につくか。」



そう言って、隆史は歩道橋を一段、また一段と、ゆっくり下り始めた。



「…もう亀は殺させねぇかんな。
今日で終わりだ。何もかも…。」



腕時計を確認する。



ハァ・・と深い溜め息を吐く。



「この世界ともおさらばか。
割と好きだったな…。色々あったけど。結構 楽しかった。」



遠くに咲子が見えた。



「お前が、居たから…。」



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