【短編】君の声も
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高校三年の夏。

みっちゃんとあたしは、付き合っていた。

ほぼ毎日、河原の土手でふたり肩を並べて座った。

私たちは大抵、唄を歌った。


みっちゃんはギターが上手だった。歌はほとんどあたしが歌った。


誰かに聴かせるために歌うとかじゃなくて、歌うことで心を通わせていた。

全部あたしが当てずっぽうにメロディーに歌詞を付けるのに、

みっちゃんは正確で優しい、みっちゃんの伴奏をギターでつけてくれた。


毎日毎日、全然飽きなかった。
会話もないのに、たた歌うだけで会話の代わりになっていた。

あたしはみっちゃんの伴奏が本当に好きだった。

みっちゃんの伴奏があたしのメロディーを導いていた。

あたしは魔法みたいにメロディーがすらすら歌えた。
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