それから一時間が過ぎた頃・・・



「あっ!」



8杯目のビールを飲み終えようとしていた南が、何かを思い出したように声をあげた。



「どうしたの?」



「そういえば、今日彼氏の誕生日だった!」



「えっ!」



南は時計を見て、



「今から行けば、まだ間に合うわよね」



と、鞄を手に立ち上がった。



足元が少しふらついている。



「南、大丈夫?」



「大丈夫、大丈夫。あと2杯はいける!」



「そういうことじゃなくて・・・」



「松崎さん、ごちそうさまでした」



南は二人に手を振ると、足早に店を出ていった。



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