「そろそろ戻ろっか」



広げていた弁当箱をしまうと、二人は部屋を出た。



「あっ・・・」



理穂は思わず声をあげた。



松崎がそこにいたからだ。



松崎も驚いたようだったが、すぐに笑顔で、



「おはよう」



「お、おはようございます」



「昨日はごめんね」



松崎の言葉に、理穂はうつむいた。



「・・・私も、ごめんなさい」



松崎はアハハと笑って、



「大丈夫。一回断られたくらいで諦めたりしないから」



「えっ?」



「遠藤さんになら分かるよね?気持ちはそう簡単に消えないって」



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