リアル人狼ゲーム【アカスかカクスか】
第0ゲーム【ゲーム開始】
「おはよ~!」
「わあっ、お、おはよう…」
「ねえねえきいて!実はうち、葵の好きなバレーボールチームの試合観戦チケット当たったんだ~♪」
「えぇ~!ありがと晴香~!」
「おめでと葵」
「玲奈!今日ゲーセン行こ!」
「うん、いいよ!」
「そういえば、秀美ちゃんっていつも1人だよね…」
「あっ、せっかくだしゲーセン誘わない?」
「おっいいね玲奈!」
「秀美ちゃーん!」
「これが普段の1年B組です」
「たいして普通じゃんか」
「えっ、このクラスでリアル人狼ゲームを!?」
「やめましょうよ。いいクラスだしかわいそう」
「いいや」
「この我社の新システム、リアル人狼ゲームは、いいクラスに導入するほどおもしろいんだ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「いってきまーす」
家を出る。
いつもの通学路を通る。
学校が近いので、10分程度で学校につく。
ガラガラと戸を開け、おはようございまーす、と元気に挨拶をする。
「おはよ~!」
「うわっなんだ瑠夏か」
私は白宮瑠夏(しらみやるか)。
平宮学園中学校の1年B組。
「ていうかなんで瑠夏のおはようっていつも驚くの?」
そういわれてもなぁ。
「え?私そんな大きい声してんの?」
「いやなんか気配がないなって」
この子は田辺美奈(たなべみな)。
スポーツ万能で足も速い。私と正反対な子だけど、なぜか馬が合った。
私の友達で、朝はいち早く美奈にあいさつする。
「あ、瑠夏ちゃんだ!おはよう」
「おはよう!」
「明日香ちゃん玲奈ちゃんおはよう!」
この2人は藤重明日香(ふじしげあすか)ちゃんと高木玲奈(たかぎれいな)ちゃん。
「おやおや〜?大人数で何してますか〜?」
九条晴香(くじょうはるか)ちゃんが半分からかうように聞く。
その後ろには、晴香ちゃんの友達の三間葵(みまあおい)ちゃんと一ノ瀬瑠樹(いちのせるき)ちゃんもいる。
「なななななにもしてないって」
「わたしもとくに」
「美奈がいうと妙な親頼感あるな~」
いつも教室に響く笑い声。
こんなあたり前だけど楽しい日常が今日から壊されていくなんて想像してもなかったのは、私だけじゃないはず。
「そういえば今日B組しかいなくない?」
「たしかに!!」
私もたしかにと思った。
通学路は妙に自分の学校の生徒が少なかった。
そしてそもそも今日は祝日だ。学校はないはずなのに。
今日の朝急に登校しろって連絡が母さんに入って、いきなさいって言われた。
生徒が登校するなら、先生もいるはずなのに今日は先生も居なかった。
「先生もいないね」
「なんか気味悪い…」
「でも、登校してって速絡入ってんの忘れてきこないだけじゃ?」
「たしかにありえる!」
ピンポンパンポーン。
「うわっ放送じゃん」
「先生くるかも。いそげー」
みんながササッと席にすわる。
私も席へすわった。
「みなさん、おはようございます」
なぜか放送からきこえてきたのは先生の声ではなく知らない男性の声だった。
「だれ?」
「なんかしらんおっさんの声なんだけど」
放送が続く。
「B組のようすはモニターでみてますよ。もちろん、晴香さんのしらんおっさんの声もきこえてましたよ」
「ええーっ恥ずかしっ」
教室にどっと笑い声が響く。
でも「しらんおっさん」がなんで晴香ちゃんの名前を知ってるんだろう。
「私はあやめグループの者です」
とたんに教室が静かになる。
あやめグループって…
確かこの辺でいちばん大きな権力をもっている企業だっけ…
その権力は莫大だ。
どこかの会社がグループ統合を提案されて断ったら、その会社はしばらくして倒産したらしい。
その会社だけでなく、このグループに逆らった会社は全てダメになったらしい。
会社だけではなく、この前のとある事件も、犯人があやめグループの者だとわかるとすぐに釈放されたらしい。
あやめグループにはだれも逆らえない。どんな人でも。
逆らったら何をされるかわからないからだーーー
「ところで、みなさんにはこれからゲームをしてもらいます」
ゲーム?
教室がざわつく。
「それってSwitchみたいな?」
大城みゆき(おおしろみゆき)ちゃんが質問した。
「残念ながらSwitchではありません」
また教室に笑い声が響く。
「なんだよー」
すると、次の瞬間、男がとんでもないことを言った。
「今からやるのは、殺し合いのゲームです」
え?
今、なんて…
とたんに教室がシリアスムードになる。
あちこちに「は?」とか「どゆこと??」って声が聞こえる。
「これからやるのは、リアルの人狼ゲームです」
リアル?
さっきからもう意味がわからない。
「何をいっているんですか??」
教室に響いたあの声は……秋山さやか(あきやまさやか)ちゃんだ。
冷静な様子にー瞬、すごいな、と思った。
「これはようそではない、本気の言葉だ」
「いやいや、殺し合いとかうそでしょ?」
羽田月美(はねだつきみ)ちゃんが言う。
「そうよ!大低こんなの法律とか平和憲法とかに違反しているでしょ!」
音和つかさ(おとわつかさ)ちゃんが言う。
「許可はもう下りている。従わないなら…」
するとタイミングよく顔隠しのマスクをした男が教室に入ってきた。
そして、ポケットから何か黒い物をだした。
「これって..」
一番早く気づいたのは畑咲(はたけさき)ちゃんだった。
「殺してもいいという許可も下りている」
黒い物は銃だった。
とたんに教室に叫び声が響いた。
「ギャーー!」
普段はおとなしい豊橋秀美(とよはしひでみ)ちゃんが叫んだ。
うそでしょ!?
あれ…本物!?
「やだぁーっ!殺さないで」
大江戸奈々(おおえどなな)ちゃんが手を挙げていた。
「ちがう…コレはドッキリだ…テレビのドッキリ..」
佐伯ここな(さえきここな)ちゃんがもう早速狂っていた。
ドッキリにしてはリアルだな…
「バカねみんな。あんなのうそでしょ?」
どこからか高梨真希(たかなしまき)ちゃんの声が聞こえた。
え?
じゃあ、真希ちゃんはあの銃がニセモノだと思っている?
まさか。だけど、それはある。まだその可能性はある…
「ほ~ら。うってみなさい」
真希ちゃんは本気だ。
背筋がヒヤリする。
男が引き金を引き始める。
ウソでしょ…まさか…
「まって!!!」
時野明子(ときのめいこ)ちゃんが叫んだ。
「それは本物…」
バァン。
ふだんは聞きなれない音が聞こえた。
え?
恐る恐る下を見てみた。
「真希ーーーっ!!!」
萩野杏奈(はぎのあんな)ちゃんが叫んだ。
真希の胸元は赤色だった。
ようやく気づいた。
この銃は本物で、あの男の言葉は本当だったこと。
そして、その銃で真希ちゃんは殺されたということ。
「帰りたいのなら、帰ってもいい。…死ぬ覚悟があるのなら」
そういって、男が銃を私たちのほうへ向けた。
「ひっ…」
思わず声が出る。
「キャー!お姉ちゃん、助けてーっ!」
杏奈ちゃんの妹の萩野神奈(はぎのかんな)が叫んだ。
「いやだああぁ」
南花南(みなみかなん)ちゃんも机に隠れている。
「人殺しー!」
「お母さーん!お父さーん!」
みんなが恐怖で叫ぶ中…放送が入る。
「これはただの人狼ゲームではない。さぁ、ゲーム開始だ。」
死亡者:高梨真希
生存者:21人
22-1=21
「わあっ、お、おはよう…」
「ねえねえきいて!実はうち、葵の好きなバレーボールチームの試合観戦チケット当たったんだ~♪」
「えぇ~!ありがと晴香~!」
「おめでと葵」
「玲奈!今日ゲーセン行こ!」
「うん、いいよ!」
「そういえば、秀美ちゃんっていつも1人だよね…」
「あっ、せっかくだしゲーセン誘わない?」
「おっいいね玲奈!」
「秀美ちゃーん!」
「これが普段の1年B組です」
「たいして普通じゃんか」
「えっ、このクラスでリアル人狼ゲームを!?」
「やめましょうよ。いいクラスだしかわいそう」
「いいや」
「この我社の新システム、リアル人狼ゲームは、いいクラスに導入するほどおもしろいんだ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「いってきまーす」
家を出る。
いつもの通学路を通る。
学校が近いので、10分程度で学校につく。
ガラガラと戸を開け、おはようございまーす、と元気に挨拶をする。
「おはよ~!」
「うわっなんだ瑠夏か」
私は白宮瑠夏(しらみやるか)。
平宮学園中学校の1年B組。
「ていうかなんで瑠夏のおはようっていつも驚くの?」
そういわれてもなぁ。
「え?私そんな大きい声してんの?」
「いやなんか気配がないなって」
この子は田辺美奈(たなべみな)。
スポーツ万能で足も速い。私と正反対な子だけど、なぜか馬が合った。
私の友達で、朝はいち早く美奈にあいさつする。
「あ、瑠夏ちゃんだ!おはよう」
「おはよう!」
「明日香ちゃん玲奈ちゃんおはよう!」
この2人は藤重明日香(ふじしげあすか)ちゃんと高木玲奈(たかぎれいな)ちゃん。
「おやおや〜?大人数で何してますか〜?」
九条晴香(くじょうはるか)ちゃんが半分からかうように聞く。
その後ろには、晴香ちゃんの友達の三間葵(みまあおい)ちゃんと一ノ瀬瑠樹(いちのせるき)ちゃんもいる。
「なななななにもしてないって」
「わたしもとくに」
「美奈がいうと妙な親頼感あるな~」
いつも教室に響く笑い声。
こんなあたり前だけど楽しい日常が今日から壊されていくなんて想像してもなかったのは、私だけじゃないはず。
「そういえば今日B組しかいなくない?」
「たしかに!!」
私もたしかにと思った。
通学路は妙に自分の学校の生徒が少なかった。
そしてそもそも今日は祝日だ。学校はないはずなのに。
今日の朝急に登校しろって連絡が母さんに入って、いきなさいって言われた。
生徒が登校するなら、先生もいるはずなのに今日は先生も居なかった。
「先生もいないね」
「なんか気味悪い…」
「でも、登校してって速絡入ってんの忘れてきこないだけじゃ?」
「たしかにありえる!」
ピンポンパンポーン。
「うわっ放送じゃん」
「先生くるかも。いそげー」
みんながササッと席にすわる。
私も席へすわった。
「みなさん、おはようございます」
なぜか放送からきこえてきたのは先生の声ではなく知らない男性の声だった。
「だれ?」
「なんかしらんおっさんの声なんだけど」
放送が続く。
「B組のようすはモニターでみてますよ。もちろん、晴香さんのしらんおっさんの声もきこえてましたよ」
「ええーっ恥ずかしっ」
教室にどっと笑い声が響く。
でも「しらんおっさん」がなんで晴香ちゃんの名前を知ってるんだろう。
「私はあやめグループの者です」
とたんに教室が静かになる。
あやめグループって…
確かこの辺でいちばん大きな権力をもっている企業だっけ…
その権力は莫大だ。
どこかの会社がグループ統合を提案されて断ったら、その会社はしばらくして倒産したらしい。
その会社だけでなく、このグループに逆らった会社は全てダメになったらしい。
会社だけではなく、この前のとある事件も、犯人があやめグループの者だとわかるとすぐに釈放されたらしい。
あやめグループにはだれも逆らえない。どんな人でも。
逆らったら何をされるかわからないからだーーー
「ところで、みなさんにはこれからゲームをしてもらいます」
ゲーム?
教室がざわつく。
「それってSwitchみたいな?」
大城みゆき(おおしろみゆき)ちゃんが質問した。
「残念ながらSwitchではありません」
また教室に笑い声が響く。
「なんだよー」
すると、次の瞬間、男がとんでもないことを言った。
「今からやるのは、殺し合いのゲームです」
え?
今、なんて…
とたんに教室がシリアスムードになる。
あちこちに「は?」とか「どゆこと??」って声が聞こえる。
「これからやるのは、リアルの人狼ゲームです」
リアル?
さっきからもう意味がわからない。
「何をいっているんですか??」
教室に響いたあの声は……秋山さやか(あきやまさやか)ちゃんだ。
冷静な様子にー瞬、すごいな、と思った。
「これはようそではない、本気の言葉だ」
「いやいや、殺し合いとかうそでしょ?」
羽田月美(はねだつきみ)ちゃんが言う。
「そうよ!大低こんなの法律とか平和憲法とかに違反しているでしょ!」
音和つかさ(おとわつかさ)ちゃんが言う。
「許可はもう下りている。従わないなら…」
するとタイミングよく顔隠しのマスクをした男が教室に入ってきた。
そして、ポケットから何か黒い物をだした。
「これって..」
一番早く気づいたのは畑咲(はたけさき)ちゃんだった。
「殺してもいいという許可も下りている」
黒い物は銃だった。
とたんに教室に叫び声が響いた。
「ギャーー!」
普段はおとなしい豊橋秀美(とよはしひでみ)ちゃんが叫んだ。
うそでしょ!?
あれ…本物!?
「やだぁーっ!殺さないで」
大江戸奈々(おおえどなな)ちゃんが手を挙げていた。
「ちがう…コレはドッキリだ…テレビのドッキリ..」
佐伯ここな(さえきここな)ちゃんがもう早速狂っていた。
ドッキリにしてはリアルだな…
「バカねみんな。あんなのうそでしょ?」
どこからか高梨真希(たかなしまき)ちゃんの声が聞こえた。
え?
じゃあ、真希ちゃんはあの銃がニセモノだと思っている?
まさか。だけど、それはある。まだその可能性はある…
「ほ~ら。うってみなさい」
真希ちゃんは本気だ。
背筋がヒヤリする。
男が引き金を引き始める。
ウソでしょ…まさか…
「まって!!!」
時野明子(ときのめいこ)ちゃんが叫んだ。
「それは本物…」
バァン。
ふだんは聞きなれない音が聞こえた。
え?
恐る恐る下を見てみた。
「真希ーーーっ!!!」
萩野杏奈(はぎのあんな)ちゃんが叫んだ。
真希の胸元は赤色だった。
ようやく気づいた。
この銃は本物で、あの男の言葉は本当だったこと。
そして、その銃で真希ちゃんは殺されたということ。
「帰りたいのなら、帰ってもいい。…死ぬ覚悟があるのなら」
そういって、男が銃を私たちのほうへ向けた。
「ひっ…」
思わず声が出る。
「キャー!お姉ちゃん、助けてーっ!」
杏奈ちゃんの妹の萩野神奈(はぎのかんな)が叫んだ。
「いやだああぁ」
南花南(みなみかなん)ちゃんも机に隠れている。
「人殺しー!」
「お母さーん!お父さーん!」
みんなが恐怖で叫ぶ中…放送が入る。
「これはただの人狼ゲームではない。さぁ、ゲーム開始だ。」
死亡者:高梨真希
生存者:21人
22-1=21
< 1 / 5 >