リアル人狼ゲーム【アカスかカクスか】

第2ゲーム【崩壊の始まり】

ゲーム終了後食事が運ばれてきた。
おいしいとは言えないし、普段のランチタイムは楽しいはずなのに、今日はしーんとしてる。
食欲はあまりない。
でも食べとかないと後がダメになるので、無理やりでもロに放りこむ。
そんな中、となりのここなちゃんは、全く食事を食べてなかった。
「ここなちゃん大丈夫?元気ない?」
あたり前だよね。
「…ないね」
そう…か。
「でも、食べとかないと後がダメになるよ?私は無理やりロに放りこんでるけど」
「でも食べれる気しない…」
「とにかくっ、ここなちゃんの嫌いなキノコだけ食べとくからっ!」
そう言って、ここなちゃんの皿のキノコを4、5個口に放りこむ。(食べかけとか特に気にしないタイプだ)
できるだけ他では明るく振るまう。
だからって、みんなの心が満たされるわけでもない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

淡々と昼を無機質に過ごし、夜食を食べ、シャワーを浴びる。
ジャーッ。
今日は嫌な日だった。
まさか中学校でいつもどおりの楽しい日常を過ごせると思えば、こんなわけのわからないゲームに巻き込まれるれるなんて。
ごはんを食べないとダメになるのと同じような感覚で、体を洗う。
体は洗える。
でも、ストレスで汚れた心を洗うことはできない。
やがて用意されたパジャマに着がえる。
洗面所の出番をまつ。
すると玲奈ちゃんが顔をのぞかせる。
「洗面所今誰使ってる?」
「ここなちゃんだよ」
秀美ちゃんが答える。
「でもさ、さすがに長すぎん?あとどうでもいいけどうちの制服のリボンどっかいった」
花南ちゃんの言葉にハッとした。
まさか。
洗面所を無理やりこじあけようとする。
「えっ!?」
「瑠夏ちゃん、何をーーーー」
購買で使うこう貨で、なんとか洗面所をあけようとする。
「ちょっとなんでこれロック開けたのにドア重いの!?」
「瑠夏何してんの!?」
ガタン。
あっ、あいた!
花南ちゃん、秀美ちゃん、玲奈ちゃん、私の4人で洗面所に入る。
「ここな!」
最初に声をだしたのは花南ちゃんだった。
ここなちゃんは首を制服のリボンでしめていた。
「首が…自殺!?」
「あ!うちのリボン!」
「リボンどころじゃないって!」
首のリボンはここなちゃんの白いリボンと花南ちゃんの青いリボンを結んで長くしてあった。
もういい加減にして。
これで死んだのは5人目だ。
夜くらいおだやかにすごしたいのに…
そして男がここなちゃんの遺体を回収し、全員ねむりについた。
本当に全然ねむれない。
明日起きられないからと必死でねむろうとするけど、無理だった。
でもしばらくしたらつかれがたまったのか、すぐにねむってしまった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「起きて」
美奈の声で目を覚ます。
「今何時?」
「7時46分」
もうそんな時間か…
普段ならもう準備を終えて…早い子は家を出て…
「ボーっとしてないで瑠夏。ほんじゃ、朝食食べに行こう」

朝食を食べ終え、ゲームが始まるまでのひまな時間をすごす。
気晴らしにゲーム用のパソコンにゲームをダウンロードしようと思っても、そんなやる気はない。
事実、どうやらパソコンはゲーム用ソフト以外開けないらしい。
「美奈」
美奈に話しかける。
「絶対に生きのころう。人狼だけど」
「… うん」
「友達だもんね」
とにかく、私は人狼として生き残らないといけない。
キーンコーンカーンコーン。
「… っ!」
ゲーム開始の合図だ。
「みなさん小部屋ヘ移動してください」
いわれるがまま無音の小部屋へ移動した。
そして戸がロックされ、電源がついた。
『夜が来ました』
画面に表示された文字は、私たちが選んだ人の死を表している。
『殺す人を選んでください』
人狼せん用チャットが早速開いた。
『三間葵:あの、だれも殺されないようにするってのはどう?』
え?
『白宮瑠夏:え?人狼はだれか1人殺さないとダメだよ』
『三間葵:ちがう。そうじゃなくて、守られると思う人を選ぶの』
守られる人?
『三間葵:騎士の役職があるって言ってたでしょ?だから、騎士によって守られる人が、必ずいると思うの』
なるほど!
これならココではだれも殺されない。
『田辺美奈:そっか。だから、守られると思う人を、殺す対象にすればいいのか』
『秋山さやか:でも守られる人って』
守られそうな人…
『田辺美奈:花南ちゃんじゃ』
花南ちゃんが?
『田辺美奈:花南ちゃんは昨日、友達のここなちゃんを亡くしたから、かわい想って思う人がいるはず』
かわい想な人…
『白宮瑠夏:じゃ、殺す人は花南ちゃんね。花南ちゃん死んだらごめん』
カーソルが花南ちゃんの名前にいく。
カチカチッ。
『ほかの役職の人を待ってます…』
そして夜が明ける。
たのむ。花南ちゃん生きて。
『殺される人はいませんでした』
やった!!!
これで1日に死ぬ人を減らせた。
『話し合いスタート』
今回は話し合いがある。
『南花南:じゃ、言うけど、これ多分守られたやつ。だから、私を守りそうな人が守るやつだと思う』
計画通り。
『南花南:ところで、今日吊るの役職のない人にしない?役職ある人吊ったらゲームの進行に大きく関わる。だから、ーーーーー』
その後も花南ちゃんは話を続けた。なんか少しうっとおしく感じるほど。
『南花南:それで』
『時野明子:いつまでしゃべんの』
え?
そういえばもうずい分しゃべってる。
『時野明子:そう仕切って支配してんのが人狼じゃない?』
ええっ!
花南ちゃんは人狼じゃない!
『南花南:そういう明子もなんでそう断言できんの?うちは人狼じゃない』
『時野明子:私だって人狼じゃない!』
明子ちゃんと花南ちゃんが言い争ってる…!
でもこんなの明らかに明子ちゃんが不利だ。
花南ちゃんはかわい想だから追放したくないって思っている人が、ここに最低でも花南ちゃんを守った4人と1人はいる。
『南花南:誰かこいつに投票してっ!!』
『時野明子:人狼はあんたよ!』
そもそも死のかかったゲームなのに投票しろなんて言うの殺してっていってんのと同じだ。
どうしようどっちに投票しよう。
どっちも本当は人狼じゃないのに…
でもどっちかに投票しないと立場が危うくなる。
もう断腸の思いでやっと投票したのは…
『投票結果』
そういって画面に表示されたのは信じられない結果だった。
時野明子:8人
南花南:8人
同数!?
私が明子ちゃんに投票すれば明子ちゃんは亡くなってたのかもしれないけれど…
一瞬、誰も死なないのでは。
そんな考えが頭の中に浮かんだ。
そのような結果になることを一瞬期待したが…
『同数のため2人を殺します』
ええっ!!
同数だと両方殺されるの!?
『南花南:は!?こういうときは誰も殺されないのが普通でしょ!?』
『時野明子:そもそも私に投票したの誰!?あの世で呪ってやる』
2人が死に際まで争う中、
ビーーー!
死のブザーがなる。
『南花南:いやあああ』野明子:助けてえ』
そして画面には『時野明子、南花南が死亡しました』と表示される。
殺される人を少なくしたかったのに。
結局プラマイ0になってしまった。
このゲームは、誰か1人は死ぬ。
私たちは、この死の呪いから逃げられないーーーーーーーーー

死亡者:佐伯ここな、時野明子、南花南
生存者:15人
18-3=15
< 3 / 5 >

この作品をシェア

pagetop