キミだけをもっと甘々に溺愛したい。
ある朝。
私──水瀬千帆はいつものように一人で通学路を歩き、教室である1年3組まで向かっている。
教室の前にたどり着き、足を止めてから、その扉をスライドさせた。
それから、私の席の方を見る。
そこには、もう既に仲の良い友達が私の机を囲みながら話していて。
それにふっと笑顔になって、私はその輪の中へと歩き出す。
「あっ、おはよう千帆!」
「うん、おはよう珠心」
「本当だ、千帆じゃん。おはよー!」
「千帆ちゃん!おはよう」
「どうぞ、座って座って」
珠心にそううながされて、私はみんなが囲っている自分の席に座る。
珠心こと早野珠心は、私の幼なじみ。
そして、親友でもある。
明るくて、その場をいつも和ませてくれるんだ。
「聞いてよ、千帆!
有咲、また告白されたんだって!」
「ええっ!またぁ?」
「有咲ちゃん、モテモテすぎるよね」