鬼ノ血

道しるべ

1. 終焉の刻

ドォォォォン……！！

九条院宗士の消滅とともに、"羅刹王"の体も完全に崩れ落ちた。
暗闇を覆っていた瘴気が消え、空が晴れていく。

「……終わったんか？」

龍馬が呟く。

「……ああ」

桂が薙刀を収める。

「新選組の剣が、"鬼"を斬った」

「やりやがったな……想乃叶」

土方が想乃叶の方を見る。

「……」

想乃叶は静かに竹刀を握りしめ、ゆっくりと息を吐いた。

（これで……本当に終わったんだ）

（私は"鬼"にはならなかった）

（剣士として——戦い抜いた）

「……よくやったな」

土方が近づき、想乃叶の肩を軽く叩く。

「お前は間違いなく、新選組最強の剣士だ」

「……ありがとう」

想乃叶は、少しだけ微笑んだ。

2. 新選組、解散

「……さて、これからどうする？」

桂が腕を組む。

「九条院宗士が消えたことで、"羅刹計画"は完全に終わった」

「"鬼"の脅威も、もうないはずだ」

「つまり……俺たちは"役目を終えた"ってことやな」

龍馬が帽子をかぶり直す。

「新選組も、これで解散か？」

「……ああ」

土方がゆっくりと頷く。

「俺たちは"剣士"として戦ってきた」

「だが、もう"鬼"はいない」

「戦う理由がないなら——新選組は必要ない」

「……」

想乃叶は静かに竹刀を見つめる。

（戦いが終わったなら……）

（私も……"剣士"をやめるべきなのかな？）

「想乃叶」

土方が想乃叶を見つめる。

「お前は、どうする？」

「……私は」

想乃叶は少しだけ考え——

「私は、これからも"剣士"でいたい」

静かに、そう答えた。

「"鬼"がいなくなったとしても——」

「私は"剣士"として生きたい」

「……フッ」

土方が微かに笑う。

「なら、それでいい」

「新選組がなくても、お前の"剣"は消えない」

「お前は、"剣士"として生きろ」

「……うん！」

想乃叶は、力強く頷いた。

3. 未来への一歩

戦いが終わり、新選組はそれぞれの道を歩み始める。

土方は、かつての同志たちの墓を巡る旅に出た。
桂と龍馬は、政治の世界に関わりながら新たな時代を作ることを決めた。

そして——

「じゃあな、想乃叶」

土方が最後に振り返る。

「お前は、お前の道を行け」

「……うん」

想乃叶は笑顔で答える。

「私は"剣士"として——生きるよ」

そう言って、竹刀を握りしめる。

（私は、これからも"剣"を振るう）

（誰かを守るため——そして、自分の信じるもののために）

（"剣士"として、生き続ける）

——物語は、ここから始まる。

4. 未来への一歩

それから数か月後——

想乃叶は、新たな道を歩んでいた。

「おーい、想乃叶！」

懐かしい声が響く。

振り向くと、そこには龍馬がいた。

「……龍馬？」

「久しぶりやな！」

龍馬が笑う。

「ちょっと、面白い話があるんやけど——」

「"剣士"としての腕、まだ鈍ってへんか？」

「……！」

想乃叶は微笑む。

「鈍るわけないでしょ」

「私は"剣士"なんだから！」

そして、彼女は再び剣を振るう——。