ぶっきらぼうな幼なじみは、私が恋することを許せないらしい

突然の告白



 ♡♡♡


 翌日。


「おっはよー! 華恋っ!」


「おはよう。乃愛ちゃん」


 校舎に入ろうとした時、後ろから声をかけられた。


 乃愛ちゃん、朝から元気だなぁ。


 そんなことを思いながら教室へ行くために下駄箱で靴を履き替えようと上履きを取り出すと、パサッと何かが床に落ちた。


「何コレ?」


 先に気づいたのは、乃愛ちゃん。


 首を傾げながら拾い、渡してくれた。


 紙だ。


 四つ折りにされており、ゴミとは思えなかった。


「何だろうね……っ!?」


 不思議に思いながら紙を広げると、びっくりして目を見開いた。


「どうしたの!?」


 私の反応に異変を感じた乃愛ちゃんが、大きな声で心配してくれた。


 でも、私は首を横に振った。


「な、なんでもない……」


 首を横に振り、誤魔化しながら紙をポケットへ入れた。


 紙には、『今日の放課後、体育館裏で待ってます』と書かれていた。


 これってーー告白とか、されちゃう……?


 いや、でも……私、学校で仲良しな男の子とかいないし。


 もしかして、他の子の下駄箱も間違えちゃった、とか?


 乃愛ちゃんに相談した方が良かったのかもしれないけれど、言えなかった。


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