天使の階段

第2章 夢を背負う者

その日の朝は、いつもよりも早く起きて、髪を念入りにセットした。

洋服だって、この前買った、一番かわいいモノを着た。


「寧々(ネネ)~!早くしないと、受付時間始まっちゃう~」

外から友達の郁(イク)の声がする。

「分かってるって!!」

窓越しにそんな会話をしながら、急いで家の階段を降りる。


「寧々!郁ちゃん来てるんだから、早く朝ご飯食べなさい!」

「いらな~い!行ってきま~す!」

「寧々!?」

大声で私の名前を呼びまくる、お母さんを放っておいて、私は勢いよく外に飛び出した。


「おっはよう!寧々。」

「おう!郁!」

簡単な挨拶を交わして、私と郁は、目的地へと向かった。


私の名前は、桜井寧々。

一緒にいる友達の名前は、平野郁。

共に二十歳のフリーターだ。
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