天使の階段
【読者モデル 面接会場】

そう書かれている建物の中へ、人ごみの中に紛れながら入っていく。

今から一ヶ月前、郁と一緒に応募した、ファッション誌の読者モデル。

郁一人では、恥ずかしくて行けないから、寧々も応募してと言われ、仕方なしに応募した。

運よく二人とも一次予選は受かって、本日面接会場へと、現れたわけだ。


「いっぱいいるね。」

「うん……」

郁が言った通り、やっぱり二人で来た方がよかった。

私一人なら、この場にいる事ができない。


「あっちが受付だね。行こう、寧々。」

「うん、」

送られてきた葉書を出して、郁と二人で、受付に歩いていく。


「はい、次の方。お名前教えて下さい。」

「平野郁です。」

「平野さんね。この番号札を付けて下さい。」

受付の人が、大きな数字の入った札を渡した。

「はい、次の方。」

「桜井寧々です。」

「桜井さん……はい、これが番号札ね。」
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