私は今日女になる

第1話 同期の男

今日は私は、25歳の誕生日を迎えた。

ロウソクを1本だけ立てた一人分のケーキに向かって、息を吹きかける。

「誕生日おめでとう。」

そうつぶやいたのは、誰でもない私。

「ああー、一人の誕生日って空しい。」

今まで両親が祝ってくれたけれど、まさか25になって彼氏の一人もいないなんて言えなかった。

こうして、私はただ一人。

寂しい誕生日を迎えた。


「このまま、私一人なのかな。」

今まで恋愛をしたことがない。

大学を卒業するまで、勉強一筋だった。

社会人になったら、自然に彼氏ができるのだと思っていたけれど、これがまた一人も誘ってくれない。


黒髪のストレートロング。

これだけは私の自慢だが、他の人から見ると地味に見えるらしい。

眼鏡はこのまま壊れて、やっと卒業した。

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