いじめの刑
『リセット!?
人間がそんな簡単にリセットできると思う?』
麗は首を振った。
『でもっ…
麗がもしもいじめられてるって言ったらどうする?
無視されて、ゴミを口の中に入れられて、ウザいとか言われてたらどうする?』
大きい声で、むしろ怒鳴りながら言った。
『もしも麗がいじめられてたら…
お母さんが守ってあげる。』
そう言うと麗をだきしめた。
でも、どこまで本気なんだかっ。
人間は信じられないものなんだね。
もう結衣に裏切られてから人を信じられない人間になっちゃった…
わかったよ。
麗は家をでていった。
『待ってっ
麗はいじめられてるの?』
鈍感。
普通そんなこと聞いてきたらいじめられてるってことなんじゃないの?
『別に…』


麗はそれからどこにも行くところがなく、お財布と携帯だけを持って歩いていた。
『ハァ…』
なんか最近ため息ばっかだなぁ…
麗はどうすればいいんだろう?
どうすればいじめられなかったんだろう…
始まりは…
考えたくない。
頭が整理つかないよ…
しばらく歩いて公園についた。
遊具のトンネルに隠れて今までためていた苦しさをはきだした。
『ああっ!!
麗はなにが楽しいくて生きてるの??
わかんないよぉぉ~~!!
麗はどうすればいいのいぉぉ~~~!!!』
ポケットに入っていたハンカチを口におさえてさけんだ。
今までずぅぅっとさけびたかった。
でも、相談に誰ものってくれない。
苦しくくって悲しくって涙がでた。
『グスンっ
よしっ!!』
麗はいつからか人に涙を見せなくなっていた。
泣くとしても自分の部屋や人のいないところで…
だから、気合をいれて家に帰ることにした。
怒りもおさまったしお腹も空いた事だし、家にかえりますかぁ…
麗は家に結局なにもしないで帰った。


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