仕事の出来る悪役令嬢、薄幸王子様を幸せにアップグレードしておきました。

15 命は大事

「……そうだな。しかも、本人がただの遊び気分で犯罪など起こす気もなく、罰せられた死因がこれでは、あまりに間抜け過ぎる。俺たちも助けられるなら、助けてやるべきだろうな」

 大きくため息をついたウィリアムは、キャンディスを救うために、知恵を貸してくれるつもりらしい。

 私も安心をしてほっと息をついた。

 幽閉されていると言えど、ウィリアムは王族。しかも、王太子だ。彼の意見は虐げられていようが、それなりの力を持っている。

 私は伯爵令嬢で貴族とは言え、王族には逆らえない。それは、シュレジエン王国の国民……全員にも、言えることだけれど。

「……そうだな。俺たちは将来結婚する、婚約者同士なんだ。夜にモニカがここへ忍んで来る前に、キャンディスが先んじて、ここに来ようとしていたとでも、言えば良いではないか」

 ウィリアムは冷静にそう言い、私は彼の言葉の意味を理解するために。少し時間が掛かった。

 ……婚約者同士だから、夜に会いに? どうして?

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