仕事の出来る悪役令嬢、薄幸王子様を幸せにアップグレードしておきました。

17 外出許可

「なんだと……姉上が……? 俺に外出許可をくれただと……? 冗談だろう?」

 私はエレインから、指示された事を告げると、ウィリアムは信じられなかったのか、声を震わせていた。

「いえ。本当でございます」

 男児にさえ生まれていればと誰もが思うほどに優秀な第一王女エレインだとしても、正体を掴めぬ『誰か』によりウィリアムは王太子だというのに、危険人物として離宮に幽閉されていた。

 けれど、必要な教育もろくに与えられずに国政を任せることが出来ないとなれば、ウィリアムは王位は継げず王太子を降りるしかない。

 ……そうなるように、仕向けられていた。

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