【短編】A pipe dream 〜ソレデモオモイエガク〜
夢や希望を持って始めた仕事。
いつからかそんなことは絵空事なんだって妥協するようになった。
仕事に妥協はしていない。
そう思っていたのは間違いだったのかな。
例え周りが求めていなくても、もう少し、ほんの少しだけ思い描いていた事を実現するように努力すべきだったのかな。
それとも、例え叶わなくても諦めずにずっと思い描いていればよかったのかな。
「……何だかなぁ」
霧島くんの言葉が心の奥底に響く。
家に辿り着いた後もずっと、その言葉が頭から離れない。
悩んでも悩んでも、答えは見つからず。
忙しいながらもそのことだけは、いつもしっかりと脳裏に焼き付いていた。