persona
「はぁ」
ため息を吐き、葵は『15歳になったら-ペルソナについて-』と書いたカラーの冊子を閉じた。

「分かった?葵」
隣に居た姉の樹が声を掛けた。

「ん、無理」
そう言いながら葵はダイニングテーブルに突っ伏す。
「所詮あたしには文字読んで理解する、なんてこと出来ないの」

投げやりに言うと樹は
「大丈夫よ。あんたは頭使うの苦手なんだからカラダで覚えなさい」
と苦笑した。頭使うの苦手、というのにはカチンときたがその通りなので反論はない。

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