お姫様の条件
「分かった。じゃあ、残りの曲を全部覚えろ。昼にまでだ」
そう言って谷川はコンポを取り出す。
「はああぁぁあ!?無理だってば。昼にまでなんて…」
「無理は禁句だ!!!」
そんなやり取りを見て、海音寺響はクスクスと笑っていた。
「分からないところがあったら海音寺に聞け。俺は今から用事があるからまた昼に来る」
「…ひえぇー」
私はさっさと出ていく谷川の後ろ姿を呆然と見つめる。
< 38 / 41 >

この作品をシェア

pagetop