お姫様の条件
 
「…里!……花里!!!」
「……ッはい!?」
気付くと1時間目はとっくに始まっていて、始まってからもう30分を過ぎようとしていた。
「問2、答え言ってみろ」
山下先生は鬼のような目で私を見る。
ひぇ〜ッ
私は前の席の友梨に、必死に助けを求める。
が、友梨も数学は苦手。
口パクで『ごめんね』と言ったのが分かった。
答えが分からず突っ立っていると、
「花里、放課後補習決定」
と山下先生の冷たい声が飛んできた。
「ええぇ?!」
き、今日は藍本流基の発売日なのに…!
せめて明日なら…
せめて明日ならーーー!!!
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