罪深く、私を奪って。

その真相

その真相



目を開けると、ぼんやりとした視界に映った白い天井。
焦点を合わせるように何度か瞬きを繰り返して体を起こすと、見慣れぬ部屋に一人で寝ていた。
ええと、ここは……?
寝ぼけながら首を傾げ、あたりを見回す。
壁一面の備え付けのクローゼット以外にはなにもないベッドルーム。
そして足元に柔らかい感触。
布団をめくって足元を見ると、白い猫が丸くなって寝ていた。
そうだ、昨日は石井さんの家に連れてきてもらって……。
確かソファーで話をしていたはずなのに、いつの間にか寝ちゃったんだ。
私が布団をめくったせいか、寝ていたシロが顔を上げ、ぴくりと耳を動かした。
「あ、ごめんね。起こしちゃったね」
白い彼女に向かってそう謝ると、シロは「ニャ」と小さく鳴いた。
軽く髪を手櫛で直してそっとベッドルームのドアを開けると、リビングに石井さんの姿があった。
少し眠そうにソファーに座りコーヒーを飲んでいた彼は、私に気づくと顔を上げた。
「起きた?」
「はい。すいません、ベッド使わせてもらっちゃって」
石井さんはこのソファーで寝たのかな。
二人掛けのソファーは、背の高い石井さんにはきっと窮屈だっただろう。
「別に。なんか食べるか?」
「いいです。大丈夫です」
「コーヒーは?」
「じゃあ、いただきます」
石井さんがキッチンへと行くと、シロも私の横をすり抜け後を追う。
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