巡恋-出逢ってくれてありがとう-

第3話-家庭事情-

幼い頃から

金銭面に関しては

何不自由無く育った私





小学生の頃

習い事を始めては…

直ぐに辞めた





中学生の頃

習い事に行くと

嘘を付いて

遊び呆けていた





高校生の頃

親の財布から

お金を抜き

夜遊びに明け暮れた





欲しい物は…

殆どが手に入る





3人兄妹の末っ子

ひとり娘





父親の愛情は

一身に受けた





まぁ…

コノ頃は

殆ど家にいなかったけど





少々のワガママも許された





でもね…

欲しかったのは

そんな…

物質的な愛じゃ無い

お金も大事だけど…





お金で

愛は買えないんだよ





【黒田さんとこのお嬢さんは、可愛くてお行儀が良くて、とてもイィ子よね~♪】

【きっとご両親のしつけがいいのよ。】

【毎日お稽古事が入ってるんですって、黒田さんとこのお子様達。】

【きっと、イィ学校に進むんでしょうね~。】





黒田家は建設会社を営んでいる

地元でも良く知られた

一家だった





創立者でもあった1代目は

私のお祖父ちゃん

声は大きかったけど

凄く優しくて温厚な人だった

地元でも沢山の人に

慕われていた





2代目となった父は

仕事もヤリ手な反面…

女遊びもヤリ手だった





そんな父と御見合結婚をした母は

意地悪な姑とのストレスと

父の女遊びのストレスを

全て子供たちへ

向けていた





虐待





昔は…

そんな言葉も無かったから

しつけだと思われていたのかな





そして…

子供達への英才教育も

近所では有名だった





それが…

母親の自慢だった


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