巡恋-出逢ってくれてありがとう-
私は再び…

美研に通い出した





家に帰っても

ご飯は用意されてい無かった

大家族のはずなのに…





コノ頃…

父親は

いつも家に居なかった





次男は東京で1人暮らし

長男は大学を中退

働きだした会社も

何だかんだ理由を付けて

家に引き込もっていた

祖母と母親は仲が悪かった





帰宅しても

誰と話す事も無く

冷蔵庫をあさり…

食べれる物を捜す

お風呂に入り…

そして

自分の部屋に入り込む





私が部屋に入ると…

母親が部屋から出てくる





コレが…

当たり前の生活になっていた





保護者面談では

良い母親を演じていた

【娘のしたい事をさせてやりたい】…と





担任は…

私が甘やかされて育っているのだと確信した





そして…





『…そうですか…』

ソレだけ言って

面談は終わった





柏木先生にも…

【東京へ行かせるつもりは無い】

【他の娘さんと一緒にするな】





そう…

母親は強く言った





それ以来…

学校で追い掛け回される事も無くなった





担任は…

『合格したなら報告に来なさい』

とだけ言い

推薦状を手渡してくれた




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