スーパーNEMO大戦


「何の話や?」


 とりあえず、とぼけてみる。


「この世界に留まるのも悪くない・・・そう思ってるんじゃないの?」


 ・・・ご名答。


 分かりやすい思考回路をしているな・・・俺も・・・。


「・・・・・・・・・別に・・・。」


 とりあえず、誤魔化しておいた。


「そう・・・なら、いいのだけど・・・。」


 キラはそれだけ言うと、黙って海人の隣に腰を付ける。


「私は、正直かまわないと思った・・・元の世界に戻れなくても・・・。だって、帰ったところで、待っているのは、明日食べるものもないような、極貧生活だし、昨日出会った人が、明日にはお墓の中にいるような、悲惨な毎日だもの・・・。」


「・・・・・・・。」


 海人は答えない。


 分かっている。


 俺たちの住む世界は、地獄と呼ぶにふさわしい。


 止まない戦争。


 広がる戦火。


 進む貧困。


 この世界みたいに、異世界からの怪物が現れて、そいつらをやっつければ、平和になる・・・と言ったような単純な話ではない。


 自分たちだって、明日・・・いや、今日の夜まで生きているのかどうか・・・ソレすら分からないのだ。


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