スーパーNEMO大戦
坂口 美里
「美里・・・あなたはやはり、帰るべきよ。」
カオリからこんな言葉が聞かされることは、大体予想が付いていた。
だから、先手はもう打った。
「大丈夫!兄貴には連絡済み!!許可も下りてる!私はカオリと一緒に戦うよ!」
元気にピースマークを作って答える。
ちなみに、正確には兄貴はカオリさんと一緒に帰って来い!と、強く言ってきたのだが、それを、色んな弱みを使って、無理やり納得させたのは内緒だ。
ふっ・・・妹がいつまでも兄の言いなりになっていると思うなよ・・・。
「でも・・・ガルダストじゃ・・・。」
カオリの言いたいことはわかっている。
カミレンロボ、カミレディロボ。そして、ギア・ドール皐月。
それらと比べたとき、ガルダストは、圧倒的に弱い。
それは、ガルダストには武器がなく、また作られた経緯も『兵器』としてではなく『遊具』として作られた部分が大きいからだ。
機動性より乗り心地。耐久性よりデザイン性・・・。
その結果、ガルダストは4機あるロボットの中で、最弱と言って良いほどのロボットとなっていた。
それは、前回の戦いのとき、海人さんが17体も敵を倒している先で、私たちは2体しか敵を倒せなかったことからも明確だろう。