スーパーNEMO大戦

「ありがとう。気持ちだけ受け取っておくわ・・・。」


 相変わらずの・・・まるで、本当の姉のような優しいカオリの笑顔。


 でも・・・。


「だめ!私もついていく・・・だって、私が乗っていたら、カオリは絶対無茶できないでしょ!?無理なことしないでしょ!!」


 いいたくないけど、本音が出た。


「・・・・美里・・・。」


 そう、私が乗っていれば、カオリは無茶はしない。


 怪我をするようなことはしない。


 絶対に、命を落とすような・・・ことはしない・・・。


「お願い!!・・・兄貴、いいでしょ!?カオリのために、私のために!!」


 お願い、いうコトを聞いてくれ!!


 世界の危機かもしれない。


 私たちは、自分の命を守るだけで精一杯かもしれない。


 でも・・・それでも・・・大事な友人は・・・大切な友達を・・・怪我するところなんて、死なせることだけはしたくないんだ!!


「・・・そうだな・・・悪いけど、カオリさん。こいつも乗せてやってくれ。」


 兄貴はアッサリ折れた。


「睦月さんまで・・・私は、別に最初から無理するつもりなんて・・・。」


 カオリがそこまで口にして


「無理は自覚できないから、無理って言うんだよ。」


 兄貴の言葉が重なった。


 そのまま、兄貴は言葉を続ける。


「カオリさん、妹を頼む。こいつに怪我をさせたら、俺が許さない・・・その意味、分かるよな?」


 それは、安易に、カオリも怪我をすることは許さない・・・という意味。


 お前、何気に良いこと言うな。


< 46 / 160 >

この作品をシェア

pagetop