スーパーNEMO大戦


「・・・・・拳銃で死ぬのかよ?」


 実は、もっと手ごわいことを想像していた。


 拳銃がなければ、ナイフで、それでもダメなら、炎で・・・それがダメなら、最悪逃げることを考えていたのだが・・・。


「映画のようには、いかない・・・か・・・。」


 拳銃で死んでしまうのなら、かつて戦ったあの魔道師よりも弱い。


 由良は、拳銃の使い果たした薬莢を捨てて、新しい弾丸をセットする。


 この場所で10人・・・だとしたら・・・。


「大きさで攻める巨人に、数で攻める歩兵か・・・。」


 いい手ではあるな・・・だが・・・少なくとも歩兵のほうは問題あるまい・・・。


 これで死ぬようなら、対抗策はいくらでも・・・。


 思った矢先。


「!」


 殺気を感じ取り、すぐさまに右に避ける。


 長年の勘がなせる業。


 すぐにその場に飛んでくるのは、大きな触手。


「生きていた!!」


 やはり、あの程度では死なないのか!


 すぐに蘇らず、ちょっとだけ間を作ることで、こちらに多少の隙を作らすあたり、知恵もあるようだ。


 相手は人間ではなく異星人。


 拳銃や、ナイフと言った、常識的な武器で死ぬという考えを持つのはやめよう。


 だが、生物である以上、有効な手段はあるはずだ。


 考えろ。


 少なくとも、この地球上でなんの防護服もなく、動ける時点で・・・。


 いや・・・もしかして・・・。


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