スーパーNEMO大戦
「えっと・・・つまり、蛍光灯の効果が、自然的に勝手に起こってしまったってこと?」
私が持っている秘密道具「蛍光灯」・・・呪文を唱えれば、カオリたちが住む『向こうの世界』と私たちが住む『こっちの世界』をつないでくれる、ドラ○もんも真っ白な秘密道具だ。
今年の春、ソレを偶然手に入れた、私は向こうの世界に迷い込み、目の前にいるカオリと出会い、そして・・・夢のような時間と冒険を過ごした。
見た目だけだったら、こちらの世界と何一つ変わらないような世界だったが、向こうにはこっちの世界には存在しない素敵なマシーンがあった。
・・・巨大ロボ・・・高級遊具ガルダスト・・・。
向こうの世界にあった素敵なマシーン。
しばらく乗ってないな・・・また、乗りたいな・・・。
「そういうことね。でもだとしたら・・・。」
カオリはここで考え込んだしぐさを見せる。
何かが引っかかっているらしいことは、言わずとも悟った。
「なぜ、カオリさんだけが、こっちの世界に迷い込んだ?・・・というコトだろ?確かに偶然にしては出来すぎている。」
兄貴の言葉。
・・・・・・確かに・・・言われればソレは、あまりに納得のいかない偶然だった。
もちろん、カオリだからこそ助かったというコトはある。
カオリは私たちと知り合いだし、いざとなれば、私が持っている『蛍光灯』で向こうの世界に帰ることが出来る。
だからこそ、彼女がこっちの世界に迷い込んだところで、特に問題ないのだ。
だが・・・逆に、それがあまりに出来すぎていて納得できない。
なぜ・・・何億という人口がいて、何万キロという土地があって、彼女が・・・カオリが・・・私の家に行ける距離の所に飛ばされたのか?
これではまるで・・・出来レース・・・。