スーパーNEMO大戦
「超ひも理論・・・現実的ではないが、理論上は存在する、『異世界』・・・か・・・」
宇宙に目がのびたことで人の考え方は、昔に比べかなり柔軟になった。
超ひも理論もその一つだといえるだろう。
理論上、どうしてもこの世界だけでは、エネルギーが滞納する。
宇宙が膨張し続けるといっても、それ以上にエネルギーは絶えず生まれ続け、またどこからか運ばれてくるのだ。
そこで科学者が思いついたのが、この理論。
この宇宙をひとつの膜のように捉え、その膜が大量にあると考える。
かつてSFでしか見られなかった、異世界やパラレルワールドが、今では科学的根拠を元に語られるのだ。
「・・・しかし、異世界・・・亜空間を移動できるのが、グラビティのみ・・・まぁ、ソレもあくまで、現代理論だけの話だが・・・。」
この世界には、現在分かっているだけで、分子、光子、粒子、重力・・・と四つのエネルギーが存在している。
その中でひも理論に当てはめることができるのは、グラビティ・・・重力エネルギーだけ・・・というのが、現代理論の見解である。
当然、人類や生物の移動など、夢の話どころではない。
どんなに理論を重ねたところで、できるわけがないのだ。
「・・・と、ここまでが現代の科学理論の限界と・・・。」
そこで、悠人は科学雑誌をしまい、今度は、魔道書を取る。