桃色
私は相変わらず・・・ゆぅ君の隣で幸せをかみ締めていた。


「あっ、そうだ、今日、梨花と一緒に帰ってもいい?相談があるって言われたんだ~」


私は思い出してゆぅ君にそう聞いた。

「いいけど・・・。でも、明日は俺と一緒に帰ろうな?」

「うん、もちろんだよ!」


放課後、梨花は2組が終わるのを待ってから帰るって言うので、一緒に待つことにした。


大西君にバイバイって言ってから帰るんだって。

梨花、恋する乙女だね。


私はそんな梨花を見て笑ってた。


この日、もしゆぅ君と一緒に帰っていたら、きっと未来は違っていたかもしれない。

何が起こるかなんて、その時には分からないもんね・・・。



「ちょっと、いい?」


肩をポンポンと叩かれ後ろを振り向くと、愛ちゃんがいた。


「うん、いいよ~。梨花、ちょっと私、愛ちゃんと行ってくるね」

「うん、分かった」


私は梨花にそう言って、愛ちゃんについて行った。


愛ちゃんは美鈴ちゃんと仲がいい。

何を言われるかなんて想像できる。


「ここで話そっか・・・」

「・・・うん」


二人で中庭で話すことにした。





そんな話、聞きたくなかったよ。


そんな話、聞かなかったら私、ずっとあなたのそばにいたのに・・・。


わがままでごめんなさい。

自分勝手でごめんなさい。



< 109 / 500 >

この作品をシェア

pagetop