桃色
「優士君と付き合ってるみたいだね」


愛ちゃんが話し始めた。

私は小さく頷いた。


「その、指輪って優士君からもらったんでしょ？」

「そうだけど・・・」

「それさ、外してくれないかな？」

「何で？外せないよ！！」


いきなり、愛ちゃんがこんなことを言うから、私も強気で言い返した。


「愛ね、美鈴と友達なの。だから、もうこれ以上、美鈴の悲しそうな顔見るの嫌なの」


愛ちゃんは泣きそうな顔で言った。

「それは、悪いと思ってるよ・・・。でも、私もゆぅ君のこと本気なの。好きだけど、ずっと我慢してたの。それに、今やっと想いが伝わって付き合ってるんだよ？」


私の気持ちを愛ちゃんに正直に伝えた。

誰に何を言われようと私はゆぅ君が好きだってこと、その想いを言いたかった。


「それはよく分かってる。桃子ちゃんの気持ちも、優士君の気持ちもすごくよく分かるよ。でもね、今、美鈴は傷付いてるんだよ？」

「傷付いてるって？・・・やっぱり、私のせいで？」

「桃子ちゃんのせいって訳じゃないけど・・・。美鈴もやっと優士君のこと吹っ切れそうだったのに。二人が付き合い始めて、二人の幸せそうな顔見るのが我慢できないみたいで・・・。変な男と遊んでばっかいるんだよ？」


私はそれを聞いてびっくりした。


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