桃色
「遅~い!!」


案の定、梨花が怒って待っていた。


「ごめん、ごめん」

「で、愛ちゃん何だったの・・・?」

「それがさ・・・」


私は梨花と帰りながら、さっきの愛ちゃんの話をした。


すると、梨花は興奮気味にこう言った。


「で、まさか、別れる気じゃないよね?」

「別れようと思った・・・」


私はそう言った。


「何で?優士君のこと好きなんでしょ?桃子あんなに大好きだって言ってたじゃん!!桃子が我慢することじゃないよ??それは美鈴の問題で、桃子達は何も関係ないよ!!」

「でもさ、そんな美鈴ちゃんほっとけない。それに、もう裏切れないよ・・・」

「じゃぁ、桃子は優士君を裏切るってこと?裏切ることになるんだよ?それでもいいの・・・?」


梨花は真剣に聞いてくる。


「それは嫌だけど・・・・・。でも、しょうがないよ。だって、美鈴ちゃんは私を変えてくれた恩人なんだよ?」


いつの間にか私の目には涙がたまっていた。


小学4年の時、私は美鈴ちゃんと出会った。


当時の私は人見知りがすごく激しくて、クラスの中で浮いていた・・・。

友達も少なかった。



そんな私を変えてくれたのが美鈴ちゃんだった。

いつも、私を可愛がってくれて、助けてくれて・・・。




そんな美鈴ちゃんだから、ゆぅ君も好きになったんだと思う。

そんな風に美鈴ちゃんが私を変えてくれたから・・・。


私はゆぅ君に好きになってもらえたんだと思う。


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