桃色
「ここで待ってるからね!!」


千絵がそう言ってくれた。


私は、ドキドキする胸を押さえながらゆぅ君のところへ向かった。

ゆぅ君は私に気付いていないのか遠くを見ていた。




「・・・ゆぅ君?」


私が声をかけるとゆぅ君はこっちを向いた。


「水嶋、遅ぇよ!」


そう言いながら、ゆぅ君は私の手を握ってきた。

私はびっくりしたけど、その手を離すことが出来なかった。


「何で、私のこと待ってるの?」


私がそう聞くと、ゆぅ君は笑ってこう答えた。


「一緒に帰る約束しとっただろ?今日だけは、守ってくれ!!」


そう言って私を見つめた。


「ゆぅ君、私達、もう・・・」


私がそう言いかけると、今日だけだからって言った・・・。


「分かった・・・。でも、千絵達が待ってくれてるから、話してきてもいい?」

「いいよ・・・」


私はゆぅ君の手をそっと離して、千絵達のところに向かった。


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