桃色
「千絵、なつ、ごめん。今日はゆぅ君と帰ることになっちゃった。待っててくれてたのに、本当にごめん・・・」


私が謝ると、二人はいいよ~って笑ってくれた。


「千絵となつに話したいことあったのに・・・」


私がそう言うと、


「今日、夜、うちにおいでよ」


千絵がそう言ってくれた。


「千絵ちゃんの家で話そう!!」


なつもそう言ってくれた。




私は、二人と別れてゆぅ君のところに戻った。


「よし、帰るか!」


ゆぅ君はそう言って私の手を握った。

そのまま、私達は一緒に帰ることになった。


「ねぇ、何で私のこと待ってたの?」


さっきも聞いたけど、もう一度聞いた。


「俺ら、今日一緒に帰るって言うてただろ?」

「だけど・・・」

「分かっとる。今日だけやから。俺ら、もう別れるんやしな・・・」


ゆぅ君はそう言うと、悲しそうに笑った。

私とゆぅ君はそのまま一緒に帰った・・・。


しばらく、私達は何も話さなかった。

話したくても、何も話せなかった。

でも、ゆぅ君がいつもより強く手を握っていたことに気付いた。


私は、泣きそうになった。


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