桃色
「本当に、ごめんね。私のせいで・・・」


私は涙をこらえてそう言った。


「違ぇよ。全部、俺が悪い」


ゆぅ君はそう言って私を見た。

そんなゆぅ君を私は見れなかった。



「えっ?それって・・・」


ゆぅ君が何かを見つめそう言った。


「ん?どうしたの・・・?」

「あっ、何でもねぇよ・・・」


ゆぅ君はそう言って笑った。


「明日から、もう、俺ら付き合ってねぇんだよなぁ・・・」


ゆぅ君はそう呟いた。

私は何を言ったらいいか分からずに黙ってしまった。


そのまま沈黙が続いて・・・。

ゆぅ君はいつものように、私の家の近くまで送ってくれた。

もう、これで終わりだと思うと・・・なかなか、手が離せなかった。


ゆぅ君は私の手をそっと離した。

そして、両手で優しく包み込んでくれた。


何か言えばよかった・・・。

だけど、何も言えなかった・・・。

そして、私達はそのまま別れた。






夜になって、私は千絵の家に行った。

そこで、千絵となつにゆぅ君と別れたことを話した。

二人は最後まで私の話を聞いてくれた。



「なんで、水嶋ばっかり我慢しなきゃいけないの?」

「何も、別れることなかったんじゃない?」


なつと千絵はそう言ってたけど、最後には分かってくれた。


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