桃色
「健ちゃんは写んないの？」


私は不思議に思って聞いてみた。


「俺との２ショットなんていらんだろ？」


健ちゃんはそう言って笑う。


「うん。いらないけど・・・」


私がそう言うと健ちゃんは少し怒った顔をした。


「水嶋、ちょっと言い過ぎ」


そんな健ちゃんを見て笑ってる私に、ゆぅ君がそう言う。


「そうだよね、健ちゃん、ゴメンね！」


私はすごくドキドキしていた。


久々にゆぅ君に話しかけられたから。

健ちゃんはきっと私達２人で写真を撮らせたかったんだね。


・・・何となく分かるよ。

だって、健ちゃんはいつも私達のこと考えてくれてたから・・・。


「そうだ！せっかくだから３人で撮ろうよ！」


私は思いついてそう言った。


「せっかくはよけいやな」


健ちゃんはすねていた。


「でも、どうやって撮るんや？」


ゆぅ君に聞かれて私はちょっと考えた。



「あ～！！！」


ちょっと向こうに梨花がいるのが見えた。


「ちょっと待ってて！梨花、呼んでくるね！」


私は梨花の方へ走って行った。



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表紙・目次

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