桃色
「梨花~!」

「どしたの?」

「あのね、お願いがあるんだけど・・・」


私は梨花に頼んで写真を撮ってもらうことにした。



「撮るけん、並んでよ~」


梨花がそう言って、カメラを構える。

ゆぅ君と健ちゃんはなぜか私を囲むようにして並んだ。


「桃子、両手に花やな~」


健ちゃんが笑ってそう言う。


「それは、ちょっと違うと思うけど・・・」


私達はそんなことを言いながら写真を撮った。


写真を撮り終えるとすぐ、私は二人にお礼を言って母親のところに戻った。


だって、ずっとここにいたら二人から離れられなくなりそうだったから。




「そろそろ、帰ろうかな・・・」


私はそう言って母親と家に帰ることにした。

学校にはまだ数人残っているみたいだった。


だけど、私は、思い出がいっぱいつまったこの学校を足早に去った。



そして、中学生活の幕を閉じた。


それから、私達は新しい道へと歩き始める。



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