桃色
家に帰った私は一人、部屋で考えていた。


ゆぅ君が大好きだった。

今でも大好き・・・。


そして、卒業アルバムを開いた。


運動会の写真、修学旅行の写真。


そのどれを見ても、ゆぅ君の隣には美鈴ちゃんがいて。

なんだか、それが当たり前なんだと言われている気がした。

私とゆぅ君が一緒にいた時間なんてとても短い。


つい最近のこと。


私は卒業アルバムをパラパラとめくっていく。


・・・3年1組。


嫌いだった。

いい思い出なんかない。

初めから嫌いだったよ・・・。

千絵となつとクラスが別れてしまって・・・。

だけど、梨花と仲直りできて、健ちゃんと仲良くなれて、そして、ゆぅ君・・・あなたに恋をした。

思い出せば思い出すほど涙が出そうになる。


いい思い出、ありすぎじゃん・・・。


一人、一人の顔写真。

どうしてもゆぅ君に目がいってしまう。


私の大好きな人。

これから、私にこの人以上に好きになる人が現れるのかな?


きっと、もう恋なんて出来ないと思う。


そんなことを思いながら最後のページまで見続けた。


・・・あれっ?


最後の白いページに何か書いてある・・・?




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