桃色
「梨花~!!」


私は梨花のところへ走って行った。


「桃子!また同じクラスだね」

「うん、めっちゃ嬉しい!!」


私と梨花は笑い合った。


でも、小田と水嶋だから、席は離れ離れだ。


そんなの関係ないよね。

だって、私達は親友だから。



入学式も終わり、私達は担任の先生の話を聞いていた。


すると、前の席の子がいきなり話しかけてきた。


「ねぇ、水嶋さんだっけ?何中?」

「T中だけど・・・」


私はそう答えた。


「うそぉ?T中ってかっこいい子多くない?」


その女の子は本田加奈というらしい。


「えっ?そうかな~?」

「そうだよ~。健二君とか知ってる?」


加奈がいきなり健ちゃんのことを聞いてきたからびっくりした。


「健二君って、松田健二君のこと?」


私は恐る恐る聞いた。


「うん、そう!松田健二君。そうそう、あと優士って子とか・・・」

「健二君なら知ってるよ!」


私はゆぅ君のことを聞かれるのが嫌だから慌ててそう答えた。


「うそぉ!マジでかっこよくない?」

「そうかな?みんなそう言うけど私はあんまりよく分かんないな~」


加奈はすごく盛り上がっていたけど、私は健ちゃんやゆぅ君達の話は避けたかったから早く終わらせたかった。



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