桃色
私は、卒業してからゆぅ君と健ちゃんと一切会っていない。

それでいいんだと思う。


「何か加奈、水嶋さんと仲良くなれそう!」

「桃子でいいよ!」

「じゃ、加奈のことも加奈って呼んでね!」


加奈は私が高校に入って一番最初に出来た友達だった。


席も前後だし、よく話すようになった。


それから、私は梨花と加奈と行動するようになった。


「ねぇ、今日さ町ブラして帰らない?」

「いいねぇ~、行こっか!」


加奈に誘われて私は加奈と梨花と一緒に遊ぶことにした。



町をブラブラして疲れた私達は、ファーストフード店に入って話すことにした。


「ねぇ~、桃子って髪染めないの?」

「えっ?どしたの急に。あたしは、別に、染めないけど・・・」


いきなり加奈にそんなことを聞かれた。

そういえば、梨花も加奈も髪を茶髪に染めている。


「そっか・・・。桃子なら茶髪の方が似合うと思ったんだけどな」

「日本人は黒髪だよ!」


私はそう言って笑った。


高校生になると、みんな髪の毛を染めたり、化粧をしたりしている。


私は出来るだけありのままでいたかった。


ゆぅ君が愛してくれた私のままの姿でいたかった。



< 162 / 500 >

この作品をシェア

pagetop