桃色
「えぇ~、うっそ~タケル君!?」


一人の女が、その男を見て叫んだ。


「あぁ~!?」


そう言って、その男は女達を睨んでいる。


すごい顔・・・。

どう見ても、キレてるよね・・・。

だけど、女達はそんなこと気にもせずに話し続ける。


「この子、タケル君の彼女??」

「だったら、何~?」

「そう、なら別に何でもないよ!!」


そう言うと、女達はニコッと笑って去って行った。


「タケル君の女だったらヤバいでしょ・・・」

「かなり、ヤバいよ・・・」


女達はそう言いながら帰って行った。



一体、何なの?


この人のおかげで、一応、助かった?


さっきの人達、私のことしめにきたの?

意味不明なんですけど・・・。


それより、あなたは誰??


「あの~、助けてくれてありがとう・・・」


私は一応、その男にお礼を言った。


「別に、たいしたことしてねぇよ」


男はそう言って私に手を出してきた。


「何??」

「俺、杉山タケル!よろしく!!」

「あぁ~、よろしく。私は・・・」


私がそう言いかけていると、


「水嶋桃子だろ?知ってるしな・・・」


そう言われた。


「えっ、何で?」


私がびっくりしてると、タケル君は教室を指差してこう言った。


「同じクラスだしな!!」


そう言って笑った。


その笑顔がすごくかわいくて・・・。何だか分かんないけど、憎めない人だと思った。




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