桃色
この光景・・・・・。

私の目に焼き付いて離れなかった。

彼氏が彼女を車で迎えに来ているみたい。


 
「ねぇ、この人達って彼女を待ってるのかな?」


私はそう思ってタケルに聞いてみた。


「だろうな、羨ましいか?」


タケルは私を見てそう言った。


「・・・別に」


私もきっと・・・。

ゆぅ君と別れていなかったら。

あの日、約束したみたいに・・・。

こうやって迎えに来てくれてたのかな?



そう思うと、何だか胸が痛くなった。


そんな私に気付いたのか、タケルが心配そうに私を見た。


「桃子、どうかした?」

「ううん、何でもないよ」


私は慌てていつものように笑った。


こんな些細なことでさえ、苦しくなる。

寂しくなるんだね。


私はいつまで経っても、ゆぅ君を忘れることが出来ない。

幸せそうなカップルを見ると、いつもあなたを思い出すんだ。




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