桃色
「おかえり~!!」


加奈が満面の笑みで迎えてくれる。


「もう、ごめんね・・・」


私が謝ると梨花がこんなことを言ってきた。


「最近、タケル君と仲いいじゃん!!うちらと一緒にいる時より多くない?」

「別に、そんな仲良くないし!」


私は、反論する。


「ねぇ、本当に付き合っちゃえば~?」


加奈が私をからかう。


「タケルはただの友達だから。そんなんじゃないの!」


すると、梨花が私を見てこう言った。


「桃子、好きになるのは自由だよ?もう、優士君のこと気にしなくていいんだよ?」


きっと、梨花なりに私のことを思ってこう言ってくれたんだろう。

それは、分かるけど、なんだかとても寂しくなった。


「タケルのこと、そんな風に見てないよ?それにゆぅ君のことはもう関係ないよ」


私はそう言って、お弁当に箸を伸ばす。


確かに、タケルはいい奴。

私のこと守ってくれてる。

でも、タケルには恋愛感情なんてない。

だって、友達だから・・・。


タケルの存在は、あの頃の健ちゃんに似てるんだ。



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