桃色
翔さん、まだかなぁ?

私は携帯を握り締めて待っていた。



「♪~♪~」


翔さんからだ!!


「はい!もしもし!」

「今、終わったから!これから迎えに行くな!」

「うん。待ってるね~!」


私はこうして翔さんを待っている時間も好きだった。

翔さんと一緒の時間はいつもあっという間に過ぎていってしまう。



海に着いた。

もう、真っ暗だけど、なんだかすごく落ち着く。

私達は砂浜に座った。


「夜の海見てるとな、なんかいろんなことを思い出すな」

「いろんなことって?」


翔さんがいきなりこんな話を始めた。


「高校の頃とか?よく、海で花火したなぁ~とか」

「ふぅ~ん、そうなんだ~」

「桃子と一緒にいたら俺、高校生の気分になるしな」


翔さんはそう言って笑った。


「ねぇ、翔さんって今まで何人の人と付き合ってきたの?」


私は今まで聞けなかったことを聞いた。

だって、翔さんかっこいいからモテそうだし。


「俺は3人だな。桃子が4人目。でも、俺から告白したのは桃子が初めてだから・・・」

「そうなの?」


翔さんから初めて告白したって聞いてすごく嬉しかった。


「翔さんってモテてたんだね」

「別に、そんなことねぇよ。なぁ、桃子は?」


私?私は反対に自分が聞かれて少しドキッとした。


「私は中学の時に一人だけ・・・」

「へぇ・・・」

「中学の時にちょっと付き合ってただけだよ。本当にちょっと。3日間だけ付き合った人がいるだけで、だから、こうしてちゃんと付き合うのは翔さんが初めてだよ・・・」

「えっ?3日間だけって?」




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