桃色
翔さんは不思議そうな顔をしていた。


「たったの3日間だけ付き合ってたの。ほら、中学生の頃って付き合うとかってあんまりよく分からないでしょ?」


私はそう言ってごまかした。

本当のことなんて言えないよ・・・。

好きなのに、別れたこと言えるわけない。


そう言って私は、翔さんの顔を見た。

翔さんは、笑顔でこう言った。


「じゃ、俺が初めての彼氏ってことで!」

「そうだね・・・」


私も笑おうとした。

でも、笑えなかったんだ。


それって、ゆぅ君と付き合ってたことを消してしまうってことでしょ?

ゆぅ君と付き合ったことなかったことにするなんて出来ないよ。

私はネックレスを握った。


それに気付いた翔さんが聞いてきた。


「そのネックレスっていつもしてるよな?」


私はネックレスを指指してコレのこと?って聞いた。


「うん。それってなんか意味あるんか?」

「これはね、お守りなんだ」


私はそう言ってもう一度ネックレスを握った。


「宝物なの。一生付けとくつもり・・・」


私は翔さんにこんなことを言ってた。


翔さんは、ふぅ~んっと言ってネックレスをじっと見つめていた。



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