桃色
正直、私も初めて会った時に似てるなって思った。

電話の時の声なんて本当にそっくりなんだよ。


それに、翔さんの名字も『桐島』でゆぅ君と同じなんだ。


でもね、似てるから好きになったわけじゃない。


翔さんは本当に優しくて・・・。

私のこと本当に愛してくれている。


それに私も翔さんのこと大好きだから。


でも、翔さんと付き合うようになってふとした瞬間に、ゆぅ君を思い出すようになった。


翔さんが学校まで迎えに来てくれることがあった時。


そういえば、ゆぅ君と約束したなぁって。


仕事休みの日は迎えに行くって・・・。

叶わなかったけどね。


私は一人、思い更けていた。



「でもさ、翔さんって男前だよね?加奈、初めて見た時そう思った〜」

「そうだよね〜」

「めっちゃ、かっこいいと思うよ。しかも、美容師だしね」

「ただで髪切ってもらえるしね〜」


梨花と加奈がそんなことを言って笑ってた。


「あっ、そろそろ戻らないと・・・」

「加奈、勉強頑張ってね!」


私と梨花に手を振りながら加奈は自分のクラスに戻って行った。


梨花もしばらくすると、自分のクラスに戻って行った。




「♪〜♪〜」

翔さんからメールが入ってきた。

「今日、早く帰れそう。終わったら迎えに行く!」


私はすぐに返事を送った。

「OKです!お仕事頑張ってねぇ〜」


これから、待ち受けていることも知らずに翔さんと会えることに、私は浮かれてた。


< 201 / 500 >

この作品をシェア

pagetop